1回戦は午後11時過ぎに始まり、30分以上引いている。「汗まみれ」なんて容易な単語は妥当でない。「汗みどろ」というべきだろう。
祭りが夜行われるのは珍しくない。夏の昼間は暑いから、夕方以降のしのぎやすい時間に祭りをするのがいいに決まっている。例えば、徳島市の「阿波踊り」や富山県八尾町の「おわら風の盆」などなどは夜である。とはいえ、前者は午後10時に、後者は同11時に終わる。喜屋武の綱引きはその時間から始まる。かなりの夜更かしだ。
喜屋武の広場横の路地で綱引きをするので、交通規制をする必要がない。それで時間を気にせずに済むのかもしれない。通常なら祭りには警官がつきものだが、喜屋武の綱引きでは見かけなかった。
人まみれ汗みどろで混沌とした中で綱引きが続く。さすがに疲れ果てる。人はここまで無心になることができる。